「ここでは言えしまへんけど、政(まつりごと)やお商売、色恋のお話も
ぎょうさんお聞きしましたえ。」
祇園のお茶屋、登喜家さん。
先々代の女将さんの時代から、お客さんの内緒話を聞いてきた彼女たち。
120年ぶりにお色直しをさせていただきました。
絵が描かれている絹は、裏打ち紙が剥がれひび割れています。
蝶番が切れ、下地も状態が悪いので新しく作り替えましょうね。
絵絹を屏風から外し、裏返してひび割れを合わせて
裏打ち後、欠損部分には同じような絹をパズルのように穴埋めしときます。
屏風に張り戻し、可愛い模様の織物で縁(へり 周りのボーダー)を張り
透明感のある赤ため漆塗りの縁(ふち 枠)が合わせましょう。
アクセントに本金菊桐透かしの隅金物を取り付けとくね。
「へえ、きれいにしてもうておおきに。」
1日も早くこの騒動が終わり、
女将さんとともに、これからもお客さんの内緒ばなしを聞いてくださいね。
できれば京都が活気づく話がええなぁ。