BlOG / 額
ほとんど作る機会はないのですが、
縦長の掛軸を横に広げたような、横被(おうひ)という掛軸です。
掛軸の発祥の地、中国では壁が木板で出来ているため、
打ち付けた釘にこの横長の掛軸を引っ掛けて飾ったといわれています。
日本では開口部が大きく、横長の掛軸を飾る場所がありません。
壁も竹で編んだ下地に土の塗り壁なので釘が効かず、
襖のようなパネル状に仕立てて、襖などの開口部の鴨居上に掛けたのだろうと
いわれています。
仏教とともに中国から伝来した表具は、日本の気候風土、生活様式、美意識や
文化に育まれ、独自の進化を遂げましたのですが
横被仕立ての掛軸にその原型が見られます。