BLOG / 壁に和紙を張る 2

楮(こうぞ)紙という和紙をちぎるとヒゲが現れます。

ヒゲの一本一本が楮の強靭な植物繊維が絡み合っているので、とても丈夫です。

繊維の中はストロー状になっていて、その空洞に空気層があり、湿気を含んだり

吐いたりする機能や保温効果、音を吸収する効果などがあります。

和紙は丈夫なだけでなく、多機能な昔のスーパーハイテク素材

一枚の和紙だけでも素晴らしい機能を持っていますが、

さらに倍の効果をもたせるために、浮け張りを二重にしています。

さて、二重の楮紙のクッションの上に、いよいよ仕上げの紙を。

蘇芳(すおう)という草木染めの楮和紙を全面に糊をつけ張っていきま

す。

紙の大きさが決まっているためどこかに継ぎ目が入ります。

同じ継ぎ目が入るなら、デザインに取り込んでしまおうと石垣を積んだように継

ぎ目を互い違いに張っていく「石垣張り」という技法です。

蘇芳はなんとも言えない優しいピンク色に染まります。

ピンクといっても天然染料の日本古来の「ピンク」は刺激のない、穏やかな、心

和む色合いです。

看護士さんの衣装が薄ピンクなのも頷けますね。

壁を装う、「壁装」

和紙を張ったお部屋の完成です。

BlOG / 壁に和紙を張る

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