BLOG/タイムカプセル

日本古来の和釘。

墨で書かれた印。

使われている和紙。

500年前に描かれたと伝わる屏風絵。

使われている材料から江戸時代に修復されていたのがわかります。

屏風を解体して初めてわかったことですが

その修復に携わった江戸時代の表具師さんが、全体にわたりかなり細かな修復をしておられます。

本体から外した絵に裏から照明をあてると浮かぶ、継ぎあてられた和紙のあと。

継ぎあてられた和紙には、オリジナルの近い色で補彩色され、金砂子が振ってあります。

この絵を後世に残したいという、江戸時代の大先輩の心意気、職人気質なこだわり、細やかな技、美的感覚が

屏風というタイムカプセルに詰め込まれています。

江戸時代から積もった絵の埃を流し、継当て、補彩色。

新しい下地に紙蝶番を組み、絵を張り戻し、古い銀屏風から剥がした銀箔で縁(へり)をとる。

次にその蓋を開けるであろう後輩表具師さんに想いをはせながら、

江戸時代の先輩表具師さんの思いや技術に令和の表具師の思いと技術を加え、再びタイムカプセルの蓋をします。

BLOG/いまどこ ゆく夏

BLOG/いまどこ 長月 月見の酒

関連記事

  1. BLOG / いまどこ

    BlOG / NEW WAVE畳むといちょうの葉のかたち。…

  2. BLOG/虐待を受けた猫!?

    「いえいえ、飼い主さんは大切にしてくださいましたよ。」でも…

  3. BLOG/受け継ぐ

    江戸時代の国学者で歌人の賀茂真淵(かものまぶち)の和歌です。…

  4. BLOG/算数

    (「お客様の書作品」+ 「水彩の図案」+「…

  5. BLOG/いまどこ 如月 

    裏庭にうぐいすが来ています。「梅にうぐいす」は定番の取り合…

  6. BLOG/いまどこ 卯月

    季節を飾るプチ床の間 いまどこ。卯月は上賀茂神社の八重桜をバックに…

  7. BLOG / 門

    BlOG / 掛軸鎌倉在住のお客様からご自身の書作品の軸装をご依頼…

  8. BLOG/東寺の縁日

    京都の東寺では毎月21日に市が開かれ「弘法さん」と呼ばれ多…

最近の記事

PAGE TOP